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2007年 12月 21日
中国に行ってました。北京の中央美術学院設計学院で教えている李さんからお誘い頂いたのが11月下旬で、あまり準備する時間が無くて講演の画像も北京行きの飛行機の中でまとめたくらい。けっこうギチギチのスケジュールで、睡眠時間も毎日4時間くらいで、室内の暖房の温度差の違いとかけっこうあったけれど、体調はどうにか維持できました。そのかわり中国の「書体熱」みたいなものに感染してしまって、これまでまったく考えなかった中国語の書体のことをもっともっと知りたいと思ってます。
ドイツを発ったのが12月14日の金曜日夕方、北京に着いたのが15日の朝で、荷物を荷車に乗せて出口に向かったら「小林章」と紙に隷書プリントされた名前が見えた。迎えに来てくれていたのは、今回書体コンテストを開いて私を審査員に招いてくれた方正字庫の社員。その日のお昼をその人といっしょに食べる。最初の中国での食事は北京ダックだった。 翌朝、方正字庫の別の社員とホテルのロビーで落ち合って、香港から審査員として招かれていたカンさんというデザイナーといっしょに車で方正字庫の会社のビルへ。車の中ではいろんな話をした。浅葉さんとかとも友達らしい。あとで上海の書店でデザインの本を見たときに、カンさんはけっこう有名な人だということがわかった。審査会場に着いて、方正の人たちから歓迎の握手を受ける。とりあえず、「小林と申します。ご招待有り難うございます」は中国語で言えるように練習はしておいて、方正の人から喜んでもらえた。 応募点数が2000点以上ということで本当に時間内に終わるのか心配していたが、審査は床に並べた応募用紙の中から良いものを選んで付箋を付けていくというやりかたでけっこう速いペースで進む。見始めてすぐに気が付いた。力のあるデザイナーが多い。書道の心得のある人が書体もデザインしているという感じで、遊んだような処理をしていても骨組みがシッカリしてまとまりもある。入選した伝統的書体のデザイナーの力量から察すると、今後の中国の書体デザインは今後かなりレベルが上がってくるんじゃないか。へたをすると日本は数年で追いつかれますよ。 翌17日はセミナーで、午前中に方正のデザイナー朱さんと北京大学講師の李さんの二つのプレゼンテーションを聴く。もちろん通訳のデラさんが中国語を英語に訳してくれているので内容はわかるし、映像の図版の解説として中国語でなにか書いてあっても半分くらいわかるような気がする。 プレゼンテーションで伝わってきたのは、もっと書体デザインの品質を高めようという熱さだった。朱さんによれば、中国は1900年代初めから日本の書体を参考にしてきたところがあって、活字の時代は日本の秀英体、写植の時代は写研の書体が目標だったらしい。このデジタルの時代に品質を一気に高めて追いつくところまで持ってこようとしているんじゃないか。 午後一番は私の番で、ちょっと緊張してしまった。終わってからけっこう良い質問が出てきて、デザイナーが欧文のことを勉強したがっている感じが伝わる。そのあとで、中国の雑誌2誌に同時にインタビューを申し込まれていたのでセミナー会場を出てエレベーターホールで立って話をする。セミナーの全プログラムが終わってからさらに質疑応答のコーナーが設けられていて、私に対しての質問とカンさんに対しての質問がほとんどだった。セミナーがお開きになってからさらに私は10人くらいの人に囲まれて質問やサインをねだられた。PingMag の記事をだれかが中国語に翻訳したらしく、私の本『欧文書体』を中国語でも出して欲しいという人もいた。 昼食の時に、北京オリンピックのロゴをつくった郭さんというデザイナーと隣り合わせになったので、ドイツから持ってきた写真を見せながら周平と京平の名前の話で盛り上がって、その後セミナー会場で郭さんから周平と京平にサイン入りのオリンピック葉書をもらっちゃいました。 セミナーの後は方正のデザイナー達と夕食を囲んで話をする。朱さんと郭さんと筆談をしながら面白い話もできた。中国では話が分からなくても筆談ができるのがいい。もちろん字が違ったり意味の違ったりする言葉もあるけど。 けっきょく北京の3泊の間では天安門も故宮もなにも見る時間が無く、18日の朝7時半にホテルを出て北京空港から上海虹橋に来て、上海視覚芸術学院の講義で200人の生徒に囲まれてきました。 ![]() お開きになってからもサインと写真をねだられて30分は会場に残ったと思う。開校してまだ2年ちょっとのこの学校では最初の年にデザイン科の学生が80人、2年目に100人、今年の新入生は200人という。中国でのデザイン熱を象徴するような数字じゃないかと思う。終わってから講師の人たちと校内の講師専用と思われる食堂で食事。毎日中華料理だ!
by akobayashi_dnikki
| 2007-12-21 00:20
| 書体デザインについての話題
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