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2007年 05月 26日
ドイツ語の文字がいつの間にか増えていた。
ß (エスツェット)という文字があって、小学校では「scharfes s」、つまり鋭く「ss = ス」と発音するエス、という意味で、ドイツ語では普通「s」は「ズ」のように濁る。この ß はこれまで小文字として扱われていて、大文字にする際には SS とエスを2回打つことで代用してきた。例えば「大文字での筆記」という意味の単語 Großschreibung は大文字で書くと GROSSSCHREIBUNG だった。それが5月22日付けの この記事 によれば、このたび ISO によって、この ß の大文字に文字コード(0x1E9C)が数ヶ月中に与えられることになるという。記事が4月1日発表でないところをみると、どうやら本当らしい :-)。 それを知ったのは、その記事を読んだ Werner Schneider さんからの電話で、いま彼の新書体の制作最終段階に入っているが、「小文字のオルタネート文字に加えてその大文字エスツェットを追加したい」と言われて、エンジニアと相談して入れることにした。ちょっとモメたけど。 記事には、大文字エスツェットが承認されたことで名前の表記が混乱するとかキーボードの位置をどうするか(現在ドイツ語用キーボードでは小文字の ß のキーは P の右上にあるが、それをシフトキーを押しながら叩くと疑問符になる)、とかいろいろ問題があると書かれている。 この記事には書かれていないが、実は大文字エスツェットについては1910年頃に実験的な活字デザインが試みられていて、今は亡き親友 Georg Kandler が教えてくれたことがある。そういえば、その前の日にあった組版工 Schulz さんに Kandler さんの本のことを話したら、彼も持っていて「あれは私のバイブルだ」とおっしゃっていた。
by akobayashi_dnikki
| 2007-05-26 07:13
| 書体デザインについての話題
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